『ゆるキャラ論』への感想をご紹介します

杉原弘恭氏(工学博士、教員)から次のような感想をいただきました。ありがとうございます。

読ませて頂いて,経営学なぞやっている目からしますと,
次のような解釈が成り立つのかなぁというところです.
マーケティングでは,消費者の購買決定要因が,
企業サイドのMake and Sellから,消費者サイドのSense and Respond
のウェイトが増加してきていることがいわれています.

つまり,安い,品質がよい,広告宣伝がよければ売れるといったことから,
なぜ,何のために買うのかといった意味や価値(観)の確認が重視されていま
す.これを考えますと,企業・自治体と消費者・顧客とが価値(観)を共有す
ることが,安心感や信頼を構築していく大事な作業となってきます.

キャラクターは,そのための役割を果たすものだと思います.
ゴジラやヒーローのキャラクターは子供との価値観の共有でしょう.
自分が怪獣やヒーローになったつもりで遊びますね.

自治体でも,「オープンで子供を受け入れてくれる,子供をだましはしないだ
ろう→大人に対してもそうだろうから安心,信頼がおける」という連想が働く
ものとして,今回の自治体キャラクターがあるように思います.

信頼を築きあげるのには時間がかかりますが(失うのは短時間),
その手始めという位置づけになるかと思いました.
もちろん,Make and Sellの部分として,
地域ブランドのPR手段としての役割もあるのでしょうが,
今回色々なキャラをまとめて拝見して,地域のウリがよくわからないのがあり
ますね.自ら発見されていないんだと思います.

また、掲載されている市のコメントの中にはMake and Sellの発想のものも散見
されます.
「そうなんだ,やってる方も単なるPR手段としてやっているんだ」となると,
警戒するのが現代の消費者ですね.
私が市の担当者だったら,次のようにいうかもしれません.

「当市はオープンで,子供や弱者にもやさしい安全で安心なまちです.
作られている製品や販売されている商品・サービスも信頼されるように,
皆さんと一丸となって取り組んでいます.

そのシンボルが正義の味方,◯◯です.子供のときに正義の味方のキャラと一体
になった気持ちになったのと同じ気持ちで取り組んでいます.」と.少し言い
過ぎましたか?